設計する上で最初に考えること。
まずはこれらの数値をおおよそでも決めていくところからが出発点です。
今回の場合は実際にモデルヨットとして決めているマンタ2017から自分がどのように具体的に仕様を決めていくかというところが出発点になりました。
各部の重量検討。
まずは採用するメカ類の重量を計っていくところから。
実際に購入したりメーカーのホームページからデータを取っていきます。
その次に私はリグの重量を計算で求めることとしました。
そのためにはまずはマストの位置を決定する必要がありそのためにはセールの形状を決める必要があります。
そう、この行って来いがあらゆる場所で発生するのでモデルとなる船はあたりを付けるうえで必須です。
セールの形状はマンタ2017を参考に、使用する部品などももれなく決めていきます。
この時どれだけ余裕をもって設計していくのかは設計者の裁量になります。
ですがあまり余裕を見ると目標を達成できない可能性もあるので慎重な判断が必要です。
この辺りは経験がものをいうのですが自分は初めての船の設計という事もあってかなり時間をかけた(かかった)ところです。
実際に過去に製作した同一クラスのリグの重量を参考としました。
利用する予定の材料の長さ当たりの重さを求めたりとなかなか手間がかかりました。
ハル取り付け部品の検討。
次にキールとラダーの形状、それぞれの側面積、体積、重量
そこが決まったらバルブの形状、重量と体積を求めます。
そのうえでセールの面積中心を求めてマストの前後位置を決定します。
キールとラダーの位置調整を含めて側面積重心とセールの側面積重心を合わせて最終的なキールとラダーの位置を決定します。
そこまでできたらハルの浮心の前後位置がおおよそ決まってきます。
自信が無かったのでキールは前後に調整できるように配慮しました。( ´艸`)
必要浮力の検討。
全体の重量を予測して仮の重量を求めてそこからキール、バルブ、ラダーの体積を仮の重量から差し引いてハルの必要浮力を求めました。
水中の水との接触面積が多いと低速時のパフォーマンスが下がります。
水中の前面投影面積が増えれば高速時のパフォーマンスが下がります。
それらを考慮しさらにキールとラダーの側面積が少なければセーリング時の横流れが大きくなる傾向になります。
(つまり風上に上らない最悪の船になっちゃいます。)
これらを考慮しどのような特性となるのかをモデルと比較しながら決めていきます。
ハル(船体)の設計
船殻設計ソフトの紹介
私はハルの設計についてはこちらのソフトを利用しています。
DELFT SHIP PRO
無料版もあります。
マニュアル(アカウントの登録が必要です。)
https://www.academia.edu/33573649/DELFTship_TM_user_manual
フォーラム
https://www.modelboatmayhem.co.uk/forum/index.php?topic=19208.0
ユーチューブチュートリアル
情報はいろいろあるので自分に合った方法でやってみてください。
私はPROを買ったんですがあまりその機能を使うこともなく・・・。
すでに無料版との差もよくわからなくなっているので間違っていたらごめんなさい。
でもPROのお値段もそれほど高くないのでPROを購入しておくことをお勧めします。
様々な船の船殻データがみられて大変参考になります。
私はドラフターが自宅にあるので手書きも検討したんですが毎回ラインを修正するたびに計算をするというのは現実的ではないなーと考えしばらく無料版の物を利用していました。
このソフトでは1m以下の船長だと計算が出来ないので私は10倍の長さで設計しています。
先の検討でCP値、ハル単体の排水量、浮心の位置、全長が決まっているのでその数値で形状を決めていきます。
ミニチュアをプリントしハル形状を確認してみました。
全長は喫水長さと同じで設計した方が有利なので極力長くとります。
次は試作編です。