この編ではオリジナルのRC Yachtの設計、製作の考え方をまとめた記事になります。
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記事の進捗によって別の編や追記を順次していくこととなるかと思いますのでご了承ください。
私は文章を書くのも誰かに説明するのも得意としていませんので間違いや誤解するような表現などありましたら問い合わせフォームの方からご指摘いただければと思います。
参考とする本の紹介
基本的にどのような船でもしっかりとした計画、検討を行ってください。
その作られる船の具体的な用途に合致したものを作る方が無駄な出費を抑えられます。
また想定した性能を発揮する事が容易になりやすく目的を達成しやすくなります。
私はこの時初めて船を設計するにあたり諸先輩方に知見を求め1冊の本を薦めていただきました。
その本は
ヨットデザイン概論
https://www.kazi.co.jp/public/book/bk05/5012.html
これは実際の人が乗るヨットの設計について書かれた本ですが基本的な設計手法としては全く同じで大変参考になりました。
他にも参考と出来そうな本をいくつか購入してみました。
私はこの本に書かれている事のみで十分対応できる内容となっておりよくまとめれれているので他の本での個別のモデルケース以外は参考とする必要は感じられませんでした。
私はこの本が1冊あればRCヨットを製作する上では必要十分な良書であると考えています。
もしRCヨットの設計を行おうと考えている方がいれば最初に手に取っていただければと思います。
どのような船を作るか?。(仕様の策定)
今回初めて船を設計するにあたり自分でも想定できない失敗を恐れ、手ごろで作りやすい船を一度作ってみようと考えました。
そのうえでその船の比較検討が出来る事も必要。
モデルとなる船があり、大きく間違いが無い船が設計できそうなクラス。
設計の自由度が高くレースが出来そうなクラスに合致した船が自分で作れる開発クラスであること。
これらを考えてRG65クラスを選びました。
クラス協会
建造規則
ルールで決められている仕様(抜粋)
全長650mm以下。
モノハル(単胴船)
セールの面積2250㎜2以下
計算方法も準拠する必要があります。
バンパー必要。
マスト高さ1100mm以下
その他ルールに準拠
設計コンセプト
まずはどんな船を作りたいかの方向性を決めます。
当時、同一クラスでの市販艇である
DF65V5(現在V7が最新、写真はV6です。55が私の船です。雑誌KAJIの中の方より提供いただいた写真です。)
購入は日本総代理店
現在世界的に一番流行っているラジコンヨットです。
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より高性能であることを必須の条件としてモデルヨットの
マンタ2017(データをいただき私も制作してみました。)
アンディさんのブログ(参考)
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と同等もしくは条件によっては勝てる船を目指す。
としました。
主な個別の仕様(目標も含む)
設計時の水の比重は1.000とする。
ハル(船体)仕様
CP値0.56
ハル基準排水量
秘密・・・。
ハル形状
チャイン(デッキと船体の境目のエッジ)無し
バウ(船首)沈時に復帰しやすいようバウ形状はデッキまでなめらかな曲線でつなぐ。
バウ高さは50mmを確保する。
予備浮力は最小限としハル重量を最大限削減する。
セール(帆)位置は極力低くし横モーメントを最大限有利になるよう考慮する。
スターン(船尾)は切り上げとする。
全備重量(目標)
700gバルブ時 1050g
500gバルブ時 850g
ハル材質
カーボン1K2プライ
キール
中芯ABS3Dプリントカーボン1K2プライ
バルブ2種製作
焼結タングステン、グラインダー削り出し(700g)
鉛鋳造(500g)微風~順風時用
メカ類
ウインチサーボ アーム式
ラダーサーボ 小型サーボ
受信機
バッテリー
リグ関連
マスト φ8t0.5カーボンパイプ
ブーム φ4t1カーボンパイプ
微風用リグタイプ 1セット スイングリグ
順風~強風リグタイプ 3セット コンベンショナルリグ
セールはマルチパネルの3Dセールとする。
注記
将来ウイングセールを検討出来るよう自由度の高いオーソドックスなリンケージとする。
ABSでハルを試作し動作、バランス、干渉等を確認、問題なければCFRPでハルを本製作
当時の記録を見るとこんな感じでした。
今見返してみるとなかなか意欲的な目標でしたが意外に多くの目標が達成出来ているようにも思います。
でも私の製作技術が低いせいもあってトラブルの多い船です。(特に浸水でメカがやられてノーコン・・・。)
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どこかから浸水があるんですがどこかが解らず・・・。
当初の計画段階でウイングセールまで( ^ω^)・・・。
次は設計方法の紹介です。