今回は実際のラインズの作図方法について紹介します。
ラインズの作図方法について
DELFT SHIPでの実際のラインズの作図方法について紹介します。
DELFT SHIPです。
New project
DELFT SHIPを起動させたらNew projectを選択し開きます。
もしこの時参考とするデータがあればそのデータを開いて修正してください。
今回は新規での作図を想定し説明させていただきます。
必要諸元をプレ入力
必要諸元をプレ入力する画面が開くので入力していきます。
1m以下だと計算が出来ないので任意の倍率で入力していきます。
訂正 先ほど試したところ出来るみたいです。何度かVerUPあったんで修正されたんだと思います。
0,5ミリを入力すると丸められてしまうのでそれがどう影響するかはちょっとわからないです。
今回の場合は10倍の10mで入力していきます。
yacht を選んで Control points(移動点) の数をそれぞれ選びます。
Dimensionsを自分の計画する船に合わせて入力していきます。
Unit(単位)、Length(船長)、Beam(船幅)、Draft(ドラフト)の計画値を入力していきます。
入力出来たらAcceptを押すと下の画面になると思います。
project setting
開いたらproject setting を開いて
Generalのタブで船の名前や設計者の名前等入力してください。
次にMain particularsのタブでLength Beam Draftを確認し
Midship locationの数値を確認し違う場合は修正してください。
Midship location
CP計算の基準となるのでMidship locationは船の一番太くなる位置で設定してください。
基本は喫水長(全長ではない)の1/2より後ろになるかと思います。
Control points
移動点の数は多くすると作図時になめらかな形状とするのが難しくなってしまうので必要最小限の数とする方が作図がやりやすいです。
私の場合は前後が5分割上下が3分割で作図してしまいます。
IOMの場合バンパーも含めた全長が1000mm以内でバンパーの長さが10mm以上となるようにする必要があるのでそこも含めて計画してください。
スターンについても計画の長さから突起物があれば船検時に全長に含まれるので突起物等がある場合はその分短く設計する必要があります。
実際は喫水長を最大限とする設計が有利となるので喫水の長さを極力1000mmに近くなるように設計します。
今回の私のハルのコンセプト
今回の私のハルのコンセプトはウエーブピアサーなので
バウ(船首)は細く、高く、ハルのビーム(最大幅)はCP高めで最大限狭く、スターン(船尾)幅はビームとほぼ同じか若干狭く。
スターン下端は喫水位置として計画。
最大ハルドラフト(ハルの喫水からの深さ)は既定の60mm-0.5mm
最大ハルドラフト前後位置と浮心は作図してみて無理のない範囲で極力後ろで検討しバウの予備浮力をカバーする。
排水量は規定重量4000g+予備浮力10gから先に計画したキール、ラダー、バルブの体積を引いた体積とする。
といったところでしょうか。
なのでCP値から逆算して喫水下の前面投影面積を求めそこから喫水の最大幅(wlBウォーターラインビーム)を想定しておおよその幅は決められたと思います。
これで主要なところは決められました。
ハル上部の形状
後はバウからマスト前までのハル前半の上部の高さを想定しておおよその形状を想定しスターンまで延長しておきます。
この時ジブブームが干渉しないように想定してください。(特にジブカウンターウエイト)
これはとりあえず2DCADで側面図を作図してジブブームの中立位置と回転軸の角度から干渉をチェックをしておけばいいと思います。
とりあえず初期設定が終わったら名前を付けて保存しておきます。
後はコントロールポイントを動かして表示される表面積、排水量、CPなどが要求される値となるよう注意しながら形状を検討してみてください。
主に利用する仕様(前出)
ここで主に利用する仕様は
船長☆
最大船幅(ビーム)
最大ビーム前後位置
ハルの最大深さ(ハルドラフト)☆
ハルドラフト最大位置
コヒレント係数(CP)
ハル排水量
喫水長
喫水下表面積
浮心位置(前後、上下)
等などになります。
☆は今回意識するルール上で制限がある数値です。
下は3年ほど前に計画していたIOMのDELFT SHIPの画面です。
私の場合、今回はこのデータからから修正していく作業になります。
ハル後半のスターンまでの側面図のラインをもう少し滑らかに切りあがるようにしてバウ先端の高さを確保しつつスターンももう少し狭めて・・・。
なんて考えています。
この作業なかなか時間がかかるのですがこだわりだしたらいくら時間があっても足りないぐらい( ^ω^)・・・。
要所要所でデータを保存しながら数パターンづつ作り形状を絞っていくといいと思います。
ここでハルの性能、特性が決まります。妥協しないで頑張ってください。
私もこれから作業に取り掛かろうと思っています。
記事
R0.0 新規作成 2023.08.11