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ラジコンヨット 市販艇 開発クラス

ラジコンヨットの調整

今回は基本的なセッティング用のデータや数値が無い場合を想定して説明します。

もしセッティングのデータが前もって入手できるのであればかなりの時間短縮になるので基本のセッティングから試してみてください。

前提としてそのラジコンヨットはレースを行うための装備が過不足なく調整幅が確保されておりメンテナンスが行き届いている船であることが最低の条件です。

これらに不足がある場合はまずはその不足部分を解消してください。

ラジコンヨットのIOM

帆走のための準備

まずは帆走のための準備をしていきます。

プロポの電源を入れてラダー、セールが動くかを確認しそのうえで受信機やプロポの電源電圧が計れる場合はその確認を行います。

次にキール、ラダーの固定を確認します。

キールには大きな力が加わるので取付ねじが摩耗して帆走中にキールが脱落する場合があります。

確認を怠らないようにしてください。

マストの左右の倒れの確認

マストの倒れ(左右方向)は均等かを確認してください。

サイドステーのある船についてはその左右の長さを同じ長さにし中間からのステーについても同じ長さになるようにしてください。

ステーのテンション(張る時の力)は風が強い時は強め、風の弱い時は弱めでも構わないです。

その時の風の状況やその強弱によってマストのしなり方が変わってきます。

構造にもよりますが同時にジブブームの動きが変わってくる場合もあるのでその風の強さの時に動きを制限しないようにしてください。

マストの材質や太さ、各ステーの取り付け方法でその振る舞いが大きく変わるのでいろいろ試してみてください。

ラダーの調整

ラダーは中立時にハルに対しての“遊び”が少なからずあると思うのでその遊びも含めてセンターからのずれが左右均等になっているかを確認してください。

次にラダーの最大の切れ角が左右均等かを確認します。

ラダーの切れ角については船によっても変わりますが自分で帆走させてみて反応が良い場合は少なく、反応が悪い場合は大きめにします。

ルールで大きさの変更が認められている場合は大きくするとか小さくするとかでその切れ角のちょうどよい感覚のところを探っていきます。

基本的にラダーが小さい、切れ角が小さい方が抵抗が少なく有利に働きます。

ですがその分操船がルーズになる場合は逆効果です。

操船時には出来るだけ少なく操作し、いざというときのみ最大の舵角を使用するという事を心がけてください。

切れ角については最大でも45度程度まで、通常であれば35度程度を基本にして増減してみてください。

さらにセールの面積中心とのバランスも配慮しラダーの大きさを決めてあるのでヘルムにも影響します。

ヘルムについては

そこも踏まえてラダーの大きさ、切れ角を検討してください。

また風が強くなるとウエザーヘルムが強くなる傾向で同時にラダーの利きが悪くなる傾向ですのでラダーのサイズを大きくするというのは有効な場合が多いです。

ルール上ラダーが変更できない場合はその限りではないです。

舵角の大きさやスティックの反応の良さなどプロポ側で調整できる場合は複数のコンディションを設定しておくなどして工夫してみてください。

セールの調整

後ろ側のセールをメインセール、前側のセールをジブセール(ヘッドセール)と言います。

また船によってはスピンネイカー(追い風用のセール)があげられるものやガンネイカーを上げられるものもありますがここでは対象としません。

ラジコンヨットのセール形状

写真はマストを上から見たところです。

大まかな記録はこういった記録でもいと思います。

まずはメインセールのフット(下端)のドラフト(ふくらみ)を調整します。

とりあえずフットの長さの10%の長さのドラフトを設定してみてください。

そのうえでセールを最大まで引き込んでメインセールのリーチ(後ろ側)、下から1/3ぐらいのところが真後ろを向くようにメインセールのブームの左右へ動く幅を調整してください。

マスト下端の位置を調整出来る場合はとりあえず真ん中あたりから当たりをつけていきます。

その状態でセールの前側からセールにしわが出ないようにバックステー(マストトップから船尾へつながるシート)を調整します。

これはマストの曲がりをセールの曲がりに合わせることでマストベンドと言います。

次にセールの上から1/3のところが真後ろより少し開く程度までメインブームを上下させます。

メインブームが固定されている船の場合はメインセールのラフ(前側)を全体的に上下させます。

その時メインセールのトップが真後ろより45度以上開かないように調整してください。

そこまでできたらジブセールのフットを10~15%程度に調整します。

次に帆走させる場所で船のキールのハル側をもってゆっくり風上に向けて回転させてメインセールとジブセールの下側1/3が同時にシバーするようにジブブームの開きを調整します。

その時船が風によって倒れる場合は無理に起こさず風なりに傾かせて調整します。

(その時の傾きが30~45度を超える場合はセールが大きすぎるのでセールを1段階小さい物にするほうが良いと思います。)

そこまで出来たらメインセールとジブセールの上側1/3も同時にシバーするようにメインブームバング、ジブトッピングリフトを調整します。

この時船を真横に倒してジブカウンターウエイトの位置を調整してジブブームが水平となるように調整しておきます。

ラジコンヨットのIOMのセール形状

ヘルムの調整

先の項目のセールの調整が出来たらヘルムの調整をしていきます。

船を水面に浮かべクローズホールド(風上に向かって最大限帆走できる角度)で走らせます。

出来れば波があまり無い水面の時が良いと思います。

ジブのラフがサギング(バタバタする)する場合はジブのテンションを上げます。

その時船が風上に上っていって止まるのであればウエザーヘルムですのでマストを前に倒す方向で調整を行います。

風上に上っていかないで風下に向かっていくのであればマストを後ろに倒す方向で調整し最終的に若干ウエザーヘルムになるように調整していきます。

このマストの傾きをマストレーキ又は単にレーキと言います。

レーキを変更したらその都度セールの各所を調整しセール全面が一気にシバーするように調整をやり直してください。

そのうえで各調整した数値の記録を取り、その時の風速や波の高さを記録しておきます。

基本の設定のその先を求める。

とりあえず私の基本の設定を提示させていただきました。

そこから全体的にセールのドラフトを薄くしていけばスピードが上がっていく方向です。

抵抗が大きい船は逆に横流れが大きくなったりほとんどスピードが変わらなかったりと徐々に頭打ちになるのでその場合は逆にセールのドラフトを戻し力が出るようにします。

そこから波が高くなったときはフットのドラフトをさらに深くし波の抵抗に対して力が出るようにします。

風が強くなったときはフットのドラフトを浅くする方向で調整していきます。

この時風も強く波も高くなった場合は様子を見るかフットを厚くして波に負けていないかを見極めてから調整するようにします。

ヘルムが変わったときはマストのレーキを変えるか各セールのフットのドラフトの前後のバランスを変えることで対応しそのフットの深さに合わせて各ブームの開きやメインブームの高さやジブトッピングリフトでセールを調整していきます。

またジブのトップ側のリーチは緩めにしておいてそのシバー具合を見てラダーを操作するなどセールのふるまいを参考にしながら船の操作を行ったりすることもあります。

船のスピードが稼げるようになるとその分見かけの風の方向が回り込むように変わるのでその分セールを引き込めるように調整していきます。

さらに船によってはマストとメインブームの回転芯がずれているのでメインブームの上下はセールが開いたときのリーチの開きの調整に使いメインセールのリーチの開きはブームの軸の回転軸の傾きで調整するなど船によって変わる場合もあり船によって、リグの構成などの違いによって調整の方法が変わる場合があるのでそれぞれ対応してください。

簡単に書きましたがその時々の風や波、船のスピード等帆走させるときの各場面でベストと言えるセッティングは1つでそれ以外の場面ではどこかを妥協した帆走となるはずです。

なのでどのような場面での帆走を重視してそのセッティングを再現できるかでそのセールのセッティングは決まると考えるようにしてください。

船の癖の把握

ラジコンヨットの場合はレースの途中でセッティングを変更できないのでそのレース毎に少しずつその前の帆走を見て修正していくようにすればよりベターな帆走が出来ると思います。

最初のうちはなかなかわからないと思うので自分が解る範囲でいいので試行錯誤していけばその船の特性が少しずつ解ってくると思います。

出来れば同じ船でお互いにセッティングを変えながらテストを行うと大変勉強になるので試してみてください。

(これをツーボートテストと言います。船にもよりますがなかなかなか難しいです・・・。)

人によっていろいろあると思いますが私の場合はという事で。

いろいろな方がいるのと同じで船の調整にはいろいろな方法があり流儀があります。

船によっても変わりますしその時の風の強さ、波の高さとその向き、潮の流れやその向き。

どのような走らせ方をするのか。

その人のレベルや周りのレベル、戦略によっても変わります。

最初は出来れば経験のある方に見てもらってから始めたほうがいいと思います。

レース時の調整

ラジコンヨットの場合は基本的に船のセッティングはレース中に変更が出来ないのでレース前にどのようにセッティングを行うかでそのレースでの走らせ方はほぼ決まります。

レース前に決めたセッティングがレース直前に風が変わってセッティングを変えたいなんてこともよくあるのですがそこはリスクを取って変更するのかそのままで行くのか等レースが始まる前から駆け引きは始まっています。

準備の段階でどの程度船の癖を把握しているのかも大きくレースに影響が出るところでレースがこなれているフリートであればその差はちょっとしたミスで大きく順位を下げることになります。

基本的にベテランと言われる方々はそういったことを把握しておりスタート前のポジション取り、戦略や戦術も組み立てたうえでレースをしているので素人がいきなり行ってまぐれで勝てることはまずありません。

何を重視し何を捨てるのか。積極的に走らせるのか。妥協してそこそこを目指すのか。上り角度を重視するのか。

上りのスピードを目指すのか。出だしを重視するのか。風の強い時を重視するのか。弱い時を重視するのか。

パフにはどう対応するのか。自分のレベルに合わせるのか。トップ集団に食らいつきたいのか。どこをあきらめるのか。

特定の船に勝つためなのか。理想とする別の船に合わせたいのか。

自分が初心者なのか。中間くらいなのか。トップ集団に入れるけどトップになれないのか。いつもトップで余裕なのか。

たまにトップ取れるけど余裕が無いのか。フリート内でのポジションはどうなのか。そのフリートはどういったレベルなのか。

自分はその船を始めて帆走させるのか、数回目なのか、慣れているのか。

セッティングの情報を入手しているのかそのような情報が無い船なのか。

誰かが帆走させた船なのか。どのような状況でどのように帆走させていたのか。

その人のレベルが解っているのか。解らないのか。

その船は勝てる船なのか。

等など

いろいろなシチュエーションがあると思います。

是非、多くの経験を積んでトップフィニッシュを目指してください。

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